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工事別の解説

合併浄化槽の費用と補助金|単独浄化槽との違い・5人槽はいくら?【千葉県・2026年度】

更新日:2026年10月22日

この記事の結論

合併浄化槽は、トイレの汚水と台所・お風呂・洗濯の排水をまとめてきれいにする設備で、単独浄化槽の新設は平成13年4月から原則できなくなっています。単独浄化槽やくみ取りからの切り替えには、国の交付金を使った市町村の補助があり、千葉県では48市町村の制度を確認しています。多くは工事の前に申請が必要で、下水道の区域では使えないため、まず市町村の窓口で対象になるかを確認してください。

合併浄化槽とは?単独浄化槽・くみ取りとの違い

浄化槽は、下水道がない地域で、家から出る汚れた水を微生物の力できれいにしてから川や水路に流す設備です。地面の下に埋めてあるため、自分の家がどのタイプか知らない人も少なくありません。大きく分けると、次の3つがあります。

種類トイレの汚水(し尿)台所・お風呂・洗濯の排水(生活雑排水)
合併処理浄化槽(合併浄化槽)きれいにして流すきれいにして流す
単独処理浄化槽(単独浄化槽)きれいにして流すそのまま流れる
くみ取り便槽ためておき、くみ取るそのまま流れる

単独浄化槽とくみ取りは、台所やお風呂の排水が処理されないまま流れてしまいます。環境省は、こうした生活排水が川や海の汚れの大きな原因になっているとして、合併浄化槽への切り替え(転換)を進めています。

単独浄化槽は新しく設置できない

平成12年に浄化槽法が改正され、平成13年4月1日からは、トイレの汚水だけを処理する単独浄化槽を新しく設置することが原則できなくなりました。法律上の「浄化槽」は合併浄化槽だけになり、すでにある単独浄化槽は「みなし浄化槽」と呼ばれています。

すでに単独浄化槽を使っている人は、合併浄化槽への切り替えに「努めなければならない」とされています(努力義務)。さらに令和元年の改正(令和2年4月施行)で、壊れたまま放置するなど、生活環境や衛生に重大な支障が出るおそれがある単独浄化槽(特定既存単独処理浄化槽)について、都道府県知事が撤去などを助言・指導し、必要なら勧告や命令もできるようになりました。

5人槽・7人槽・10人槽はどう決まる?

「人槽(にんそう)」は浄化槽の大きさのことで、何人分の汚水を処理できるかを表します。実際に住んでいる人数ではなく、建物の用途と延べ床面積などから、JIS(日本産業規格)の算定基準(JIS A 3302)で決まります。戸建て住宅の基本は次のとおりです。

住宅の条件人槽
延べ床面積が130㎡以下5人槽
延べ床面積が130㎡を超える7人槽
台所とお風呂がそれぞれ2つ以上ある(二世帯住宅など)10人槽

たとえば家族2人でも、延べ床面積が140㎡なら基本は7人槽です。ただし、JISには「使い方から見て明らかに実情に合わない場合は人数を増減できる」というただし書きがあり、少人数で住む広い家などで小さい人槽にできる場合があります。使えるかどうかや条件は自治体によって違うため、浄化槽の届出の窓口や工事業者に確認してください。

人槽は補助金の額にも関わります。多くの市町村は「5人槽」「6〜7人槽」「8〜10人槽」のように人槽ごとに補助の上限額を決めているため、まず自分の家が何人槽になるかを確かめておくと、補助額の見当がつけやすくなります。

設置・転換の費用は何で決まる?

合併浄化槽の費用は、本体の値段だけでは決まりません。単独浄化槽やくみ取りから切り替える場合は、主に次のような費用がかかります。

合計の金額は、人槽、型式、敷地の広さ、配管の長さ、古い槽の状態などで大きく変わるため、このサイトでは相場の金額は示していません。見積もりを取り、比べてください。

見積もりでは「本体・設置」「撤去」「配管」が分けて書かれているかを確認しましょう。多くの市町村の補助は、この3つを別々の上限額で計算するため、内訳が分かれていないと申請の書類を作りにくくなります。

補助金の仕組み:国の交付金を使った市町村の補助

合併浄化槽の補助は、市町村が窓口です。国(環境省)は「循環型社会形成推進交付金」などで、市町村が行う浄化槽の補助を支えています。個人が国に直接申請する補助金ではないため、住んでいる市町村に制度があるかどうかがまず大切です。

個人が自分の家に設置する場合(浄化槽設置整備事業・個人設置型)は、市町村が設置する人に補助金を出し、その一部(原則3分の1、条件によって2分の1)を国が交付金で負担します。国の資料では、補助の基準となる額のうち4割を市町村と国が負担し、6割を個人が負担する考え方が示されています。これは基準となる額での割合で、実際の工事費の4割が戻ってくるという意味ではありません。

国の支援は年々広がっていて、令和元年度に単独浄化槽からの転換にともなう宅内配管工事への助成、令和3年度にくみ取りからの転換にともなう撤去費・宅内配管工事への助成が設けられました。千葉県の多くの市町村で、本体の補助とは別に「撤去費」「配管費」が上乗せされているのは、この仕組みによるものです。

このほか、市町村が浄化槽を設置して管理し、住民が負担金などを払う「公共浄化槽(市町村設置型)」という仕組みもあります。どちらの方式かは市町村によって違います。

千葉県の市町村の補助額

このサイトでは、千葉県の48市町村で、浄化槽や下水道へのつなぎ込みに関わる制度を56件確認しています(受付中は37件)。上限額が分かる51件の中央値は96.3万円、最も大きいのは富里市の147.3万円です。

ただし、上限額の数え方は市町村で違います。本体分だけの額を示している制度もあれば、撤去費・配管費まで合わせた額を示している制度もあります。また、型式(高度処理型かどうか)と人槽で補助額が細かく分かれているのが普通です。

たとえば富里市では、高度処理型(N20型・P型)の5人槽で本体分36万円に、単独浄化槽からの転換なら撤去費18万円と宅内配管費33万円が加わり、最大87万円です(くみ取りからなら撤去費12万円で最大81万円)。四街道市も、本体分を5人槽36万円、6〜7人槽46万2千円、8〜10人槽58万5千円(N20型・P型)としています。

各市町村の計算例は次のとおりです(各制度の計算例の1つ目)。

市町村ごとの制度の一覧です。制度名から、対象・条件・申請期間をまとめた各ページへ進めます。

市町村制度名補助額受付状況
柏市柏市合併処理浄化槽設置奨励補助金最大96.3万円受付中
流山市流山市上下水道局浄化槽設置事業補助金最大96.3万円要確認
我孫子市我孫子市高度処理型合併処理浄化槽補助金最大40.8万円受付中
鎌ケ谷市鎌ケ谷市合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大96.3万円受付中
船橋市高度処理型合併処理浄化槽の転換設置に対する補助金制度最大108万円受付中
八千代市八千代市高度処理型浄化槽設置整備事業補助金最大96.3万円受付中
千葉市千葉市合併処理浄化槽設置事業補助金(合併処理浄化槽への転換費用の補助)最大72.3万円受付中
市原市市原市合併処理浄化槽設置事業補助金最大84.3万円受付中
印西市印西市合併処理浄化槽設置事業補助金最大96.3万円受付中
白井市白井市合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大96.3万円受付中
佐倉市佐倉市合併処理浄化槽設置事業補助金最大96.3万円受付中
成田市成田市合併処理浄化槽設置整備事業補助金条件により異なる受付中
成田市成田市雨水貯留施設設置費補助金最大10万円受付中
四街道市四街道市高度処理型合併処理浄化槽補助金最大96.3万円受付中
四街道市四街道市水洗便所改造資金助成制度1槽あたり最大2.7万円受付中
八街市八街市家庭用小型合併処理浄化槽設置事業補助金最大143.3万円要確認
八街市八街市水洗便所改造資金の利子補給制度条件により異なる受付中
富里市富里市小型合併処理浄化槽補助金最大147.3万円要確認
酒々井町酒々井町高度処理型合併処理浄化槽設置補助金最大140.3万円要確認
栄町栄町合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大143.3万円要確認
銚子市銚子市空き家リフォーム事業補助金条件により異なる受付中
銚子市銚子市合併処理浄化槽転換費補助金最大72.8万円受付中
銚子市銚子市住宅リフォーム助成事業最大15万円要確認
旭市旭市合併処理浄化槽設置事業補助金条件により異なる受付中
匝瑳市匝瑳市合併処理浄化槽設置促進事業補助金最大82.8万円要確認
香取市香取市合併処理浄化槽整備事業補助金最大122.3万円要確認
神崎町神崎町合併処理浄化槽設置促進事業補助金最大72.8万円要確認
多古町多古町合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大105.8万円要確認
東庄町東庄町合併処理浄化槽設置補助金最大95.6万円要確認
東金市東金市合併処理浄化槽維持管理費補助金最大1.5万円受付中
東金市東金市浄化槽設置整備事業補助金最大105.8万円受付中
山武市山武市浄化槽等設置事業補助金最大125.8万円受付中
大網白里市大網白里市合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大69.4万円受付中
九十九里町九十九里町合併処理浄化槽設置事業補助金最大105.8万円要確認
芝山町芝山町合併処理浄化槽維持管理費補助金最大1万円受付中
芝山町芝山町浄化槽設置整備事業補助金最大105.8万円要確認
横芝光町令和8年度横芝光町浄化槽設置整備事業補助金最大102.8万円受付中
茂原市茂原市合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大82.8万円要確認
一宮町一宮町小型合併処理浄化槽等設置事業補助金最大81.2万円受付中
睦沢町睦沢町特定地域合併処理浄化槽整備事業・浄化槽転換補助金最大28万円受付中
長生村長生村合併処理浄化槽設置事業費補助金最大102.8万円受付中
長柄町長柄町設置型浄化槽整備事業(転換補助・排水処理装置補助)最大50万円要確認
長南町長南町家庭用小型合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大107.4万円要確認
勝浦市勝浦市合併処理浄化槽設置事業補助金最大94.8万円受付中
いすみ市いすみ市家庭用小型合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大105.8万円受付中
大多喜町大多喜町家庭用小型合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大140.3万円要確認
御宿町御宿町 合併処理浄化槽への転換補助最大105.8万円受付中
木更津市木更津市合併処理浄化槽設置事業補助金最大65.4万円受付中
君津市君津市合併処理浄化槽補助金最大72.3万円受付中
富津市富津市浄化槽転換事業補助制度最大58万円受付中
袖ケ浦市袖ケ浦市合併処理浄化槽設置事業補助金最大114.3万円受付中
館山市館山市浄化槽設置事業補助金(合併浄化槽補助金制度)最大20万円受付中
館山市館山市水洗便所改造資金助成金制度条件により異なる受付中
鴨川市鴨川市家庭用小型合併処理浄化槽設置事業補助金最大58.2万円要確認
南房総市南房総市合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大105.8万円受付中
鋸南町鋸南町合併処理浄化槽設置整備事業補助金最大30万円要確認

表には、下水道へのつなぎ込み(水洗便所の改造)や浄化槽の維持管理費の補助なども含みます。補助額の詳しい比べ方は「千葉県の浄化槽の補助金一覧(市町村別の比較)」をご覧ください。

申請の流れと注意点

市町村によって細かい違いはありますが、おおむね次の順番で進みます。

  1. 窓口で事前に相談:家が補助の対象区域か、どの型式・人槽が対象かを確認します。
  2. 工事業者を選び、見積もりを取る:千葉県に登録などをしている浄化槽工事業者に依頼します。
  3. 浄化槽の設置届を出す:建て替えなどで建築確認がある場合は、その手続きの中で書類を出します。
  4. 補助金の交付申請:工事の前に申請します。
  5. 交付決定の通知を受けてから着工:工事の途中で市町村の検査がある制度もあります。
  6. 完了の報告(実績報告)と完了検査:領収書や写真などを出します。
  7. 補助額の確定・請求・振り込み:補助金は工事が終わった後に受け取ります。

注意したい点は次のとおりです。

補助金は工事の後に振り込まれるため、工事代金はいったん自分で払うのが基本です。お金の流れは「補助金はいつもらえる?工事代金の立て替えと代理受領」、言葉の意味は「補助金の用語集」をご覧ください。

なお千葉県は、県の職員を名乗って家を訪ね、浄化槽の入れ替えを勧める業者がいるとして注意を呼びかけています。県の職員が営業をしたりお金を求めたりすることはありません。不審な訪問があったら、すぐに契約せず市町村や県に相談してください。

設置後の維持管理:3つの義務と費用

浄化槽は、設置したら終わりではありません。浄化槽を使う人(浄化槽管理者)には、浄化槽法で次の3つが義務づけられています。

  1. 保守点検:装置の調子や消毒剤の補充などを点検します。家庭用の小型浄化槽では、おおむね4か月に1回以上が目安です(処理の方式などで回数は違います)。県などに登録した保守点検業者に任せるのが一般的です。
  2. 清掃:たまった汚泥を抜き取ります。年1回以上(全ばっ気方式は6か月に1回以上)で、市町村の許可を受けた清掃業者が行います。
  3. 法定検査:県が指定した検査機関による水質などの検査です。設置後の検査(7条検査)は使い始めて3か月たってから5か月以内に1回、その後は定期検査(11条検査)を毎年1回受けます。

保守点検と清掃の記録は3年間保存します。維持管理の費用は、保守点検の委託料、清掃の料金、法定検査の手数料、ブロワを動かす電気代などの合計です。点検や清掃の料金は業者や地域で違うため、契約の前に確認してください。千葉県の法定検査の手数料(令和8年4月から)は、10人槽以下で7条検査が11,000円、11条検査が6,000円です。

維持管理の費用を補助する市町村もあります。たとえば東金市や芝山町は、法定検査などを受けた合併浄化槽の管理者に補助をしています。

よくある質問

合併浄化槽の補助金はいくらもらえますか?

市町村、人槽、型式、切り替え前が単独浄化槽かくみ取りかによって違います。千葉県では、本体分に撤去費(単独浄化槽からは上限18万円とする市町村が多い)と宅内配管費(上限33万円とする市町村が多い)を上乗せする制度がよく見られます。このサイトで確認した制度では、上限額が分かる51件の中央値は96.3万円、最も大きいのは富里市の147.3万円です。住んでいる市町村の制度ページで確認してください。

単独浄化槽のまま使い続けても違法ではありませんか?

すでにある単独浄化槽は、すぐに使用をやめなければならない決まりではありません。ただし法律で合併浄化槽への切り替えに努めることとされており、壊れたまま放置するなど衛生上重大な支障が出るおそれがある場合は、県から撤去などの指導や勧告・命令を受けることがあります。保守点検・清掃・法定検査の義務は単独浄化槽にもあります。

合併浄化槽は5人槽と7人槽のどちらになりますか?

住んでいる人数ではなく、主に延べ床面積で決まります。戸建て住宅では130㎡以下が5人槽、130㎡を超えると7人槽、台所とお風呂が2つ以上ある二世帯住宅などは10人槽が基本です。少人数の家で小さい人槽にできる場合もあるため、窓口や工事業者に確認してください。

合併浄化槽の工事が終わってから補助金を申請できますか?

ほとんどの市町村では申請できません。工事の前(古い槽の撤去の前)に交付申請をして、交付決定の通知を受けてから着工するのが条件です。業者と契約する前に、市町村の窓口に相談してください。

合併浄化槽の維持管理費用は年間いくらですか?

保守点検の委託料、清掃の料金、法定検査の手数料、ブロワの電気代の合計で、業者や人槽によって違います。千葉県の法定検査(11条検査)の手数料は、10人槽以下で年6,000円です(令和8年4月から)。維持管理費を補助している市町村もあります。

参考にした公式情報

この記事について

おうち補助金ナビ編集部が、国・千葉県・市町村の公式情報と、このサイトに掲載している制度のデータ(344制度)をもとにまとめました。制度の内容は年度ごとに変わるため、申請の前に必ず各制度の窓口で最新の情報を確認してください。

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